隕石の種類

隕石の主成分は、鉄ニッケル合金、カンラン石(オリビン、もしくはペリドット)、輝石(パイロキシン)、長石、トロイトライト(硫化鉄)です。この成分比 の違いで、石質隕石、石鉄隕石、鉄質隕石に分かれたり、さらに細かい分類があります。また、分類は成分だけでなく隕石の成り立ちも関係します。(下の表は いくつかの資料を見て私がまとめたものなので足りない部分などがあるかもしれません。)

1―石質隕石の分類

石質隕石の分類
                                 *CグループはさらにCI,CM,CO,CV,CK…とわかれる

落下量の約9割を占める石質隕石は、まずコンドライトとエイコンドライトにわかれます。隕石を観察すると直径数ミリの粒が見られる場合が良くあり、これを コンドリュールといい、それが含まれるものをコンドライトと呼び、無いものをエイコンドライトと呼びます。コンドリュールはそれだけ成分が違うのでなく、 隕石全体の基質の成分と変わりません。
コンドライトはC,H,L,LL,Eにわかれます。Cは炭素質球粒隕石、Eは頑火輝石球粒隕石、H,L,LLはまとめて普通球粒隕石ともいいます。さらに その後ろに1や6などの数字をつけて隕石の熱変性度をあらわし、"L4"のように使います。数字は大きいほど変性が進んだことを示し、1と2があるのはC とLLグループだけです。
エイコンドライトの7割を占めるHEDグループは起源が同じで、小惑星の中でゆっくり冷えてできた玄武岩質の隕石で、反射スペクトルから、小惑星ベスタと関係があるのではないかいう説があります。
太陽系が誕生しその中から隕石のようなものができたとき、まずは球粒隕石(コンドライト)ができ、後に無球粒隕石(エイコンドライト)や席鉄隕石、鉄質隕 石に分化しました。そのためコンドライトは太陽系初期の状態を残しています。例外はアングライトで、太陽系初期の頃からすぐにエイコンドライトに分化して います。
ウレイライトは、大きな衝撃を受けてダイアモンドが生成した隕石として有名です。
月や火星起源の隕石については別のページで書きたいと思います。

2―石鉄隕石の分類

石鉄隕石の分類

石鉄隕石はケイ酸塩鉱物と金属鉄が半分ずつぐらいで結晶を伴い混在するものです。数は多くありません。
パラサイトは"石"の部分(ケイ酸塩鉱物)がほぼカンラン石のみでできていて、核とその周りとの境目だったか、核自体がそういうものであったかのどちらかといわれています。カンラン石は1センチぐらいのものもあり、美しいです。
ロードラナイトはケイ酸塩鉱物として輝石とカンラン石を持つ大変珍しい隕石です。
メソシデライトは輝石と長石を含みますが、大きな結晶は作りません。

3―鉄質隕石の分類

鉄質隕石

鉄質隕石は落ちてくる割合は4%しかありませんが、その見た目と耐久性によって、昔に落ちたものが発見される例は多数あります。
ヘキサへドライド、オクタヘドライド、アタキサイトという分類は、希酢酸などによる酸エッチングにより出現するウィドマンシュテッテン構造という、筋のよ うな構造の出具合による分類です。この模様は鉄とニッケルの酸による溶けやすさが違うことを利用したものです。ヘキサヘドライトはニッケルの含有量が6% 以下で、全て鉄と均等に混じりあい、模様がでません。オクタヘドライトはニッケルを6〜20%程度含んでいて目に見える模様がでます。アタキサイトはニッ ケルがさらに多く、模様が細かくなりすぎて見えません。
この分類法とは別の分類法があります。微量元素として含まれるガリウム、ゲルマニウム、イリジウムの多いほうからI〜IVの数字をつけ、それだけでは不十分なのでさらにAやBなどのアルファベットを後ろにつけて分類していこうというものです。
注:文中、ローマ数字をI(アイ)やV(ブイ)で表していますが、これは文字化けを防ぐためです。I=1、V=5、IV=4と解釈してください。



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